華やかに香る吟醸酒
四季の変化が楽しくなる
「春苦み、夏は酢のもの、秋辛味、冬は油」
食育・食養を唱えた明治時代の食養研究家・石塚左玄の言葉です。
- 「春」は苦みで冬に溜めた脂肪や老廃物を排出し、身体の目を覚ます。
- 「夏」はさっぱりとした酸味で食欲増進し、食中毒を予防する。
- 「秋」は温まる陽の食材に辛味、塩味をきかせて、もりもり食べる。
- 「冬」は脂を多めにとって、寒さに打ち克ち、元気に過ごす。
日本には四季があり、季節ごとの旬の食材は私たちの身体のリズムに合っています。歳事や行事はもちろん、日本酒も季節に合わせた楽しみ方があります。 便利な世の中になり、旬がわかりにくくなったという言葉も聞こえます。
田村酒造場では旬の食材や旬の酒を暮らしを彩る歳時記、イベントと取り合わせてご紹介いたします。読めば飲みっぱぐれることもありません。
暮らしが楽しくなれば、食も酒もまた楽し。お役に立てれば幸いです。
薫り高く、ほろ苦い春の野菜たち
桜鯛に江戸っ子に欠かせぬ鰹のたたき
季節の食材
山菜(筍、うど、たらの芽、コシアブラ、ふきのとうなど)、豆(空豆、えんどう豆、グリーンピース)、菜花、アスパラガス、芹、三つ葉、ふき、春キャベツ、新玉ねぎ、ニラ、春椎茸、クレソン
貝類(あさり、はまぐり)、蛸
海草(わかめ、ひじき)
鯛、鰆(サワラ)、鰹、アイナメ、しらす
季節料理の一例
- 山菜の天ぷら
- 若竹煮
- 筍御飯
- 生しらす
- アサリと分葱のヌタ
- フキ味噌
- 菜花のおひたし
- 鰹のたたき
- 豆ごはん
- 焼き空豆
- オニオンスライス
- 若布しゃぶしゃぶ
歳時記
- 3月3日 ひな祭り(ちらし寿司、蛤のお吸い物、菱餅、白酒、ひなあられ)
- 3月21日頃 春分(ぼたもち)
- 4月8日 花祭り(甘茶)
- 5月5日 端午の節句(ちまきや柏餅)
イベント
野草摘み、花見、潮干狩り
酒の季語
- 【白酒】
- 3月3日桃の節句のひな祭りの祝い酒。みりんに蒸米、麹などを混ぜて熟成し、すりつぶした物
- 【桃の酒】
- 桃の花を浸した酒。3月3日桃の節句のひな祭りに供え、飲めば百病を免れるという
- 【花見酒】
- 季語で花は桜の意味です。花見に酒はやっぱり欠かせません
- 【菖蒲酒】
- 5月5日端午の節句に飲む邪気払いの菖蒲の葉を浮かべた酒
熱をとる夏野菜、酸味で食べやすく
多摩川の鮎釣りも盛んです
季節の食材
枝豆、いんげん豆、とうもろこし、ナス、トマト、きゅうり、ピーマン、万願寺唐辛子、空心菜、ゴーヤ、冬瓜、実山椒、しそ、新じゃが、オクラ、モロヘイヤ、にんにく、みょうが、葉しょうが、鮎
スズキ、鯵、サザエ、アワビ
うなぎ、車海老、蛸、鰻
季節料理の一例
- 茹で枝豆
- 焼とうもろこし
- 冷やしトマト
- もろきゅう
- 焼茄子
- 冷や奴
- ラタトゥイウユ
- ゴーヤチャンプルー
- 鮎の塩焼き
- 実山椒佃煮
- 鰻
- そうめん
歳時記
- 7月7日 七夕(そうめん)
- 7月15日(旧暦8月15日) お盆(精進料理)
- 7月 土用の丑の日(うなぎ)
イベント
夏祭り、バーベキュー、花火大会
のど越しなめらかな生酒
生酒Namasake
さっぱりとした夏のお料理には、きりりと冷やした爽やかな「生酒」がぴったりです。栄養豊富な日本酒は夏ばて防止にも役立ちます。
酒の季語
- 【梅酒】
- 酸味の効いた梅酒はやはり夏の酒
- 【甘酒】
- 江戸時代、甘酒は夏バテ防止の栄養ドリンクとして、重用されていました
実りの秋は辛味で食欲増進
脂がのった魚が美味しい季節です
季節の食材
実りの秋は辛味で食欲増進
脂がのった魚が美味しい季節です
サンマ、かます、しまあじ、鯖、いわし
鰹、鮭
季節料理の一例
- 新蕎麦
- 松茸御飯
- 土瓶蒸し
- 炒り銀杏
- 里芋煮っころがし
- 衣かつぎ
- 焼き茸
- 葉とうがらしの佃煮
- 焼茄子
- サンマの塩焼き
- カマスの塩焼き
- 鯖味噌煮
歳時記
- 9月9日 重陽の節句(菊酒、栗ごはん)
- 9月19日 十五夜(月見団子、栗ごはん、豆、里芋)
- 10月17日 十三夜(月見団子、栗ごはん、豆)
- 11月15日 七五三(千歳飴)
イベント
紅葉狩り、芋掘り、味覚狩り(栗、果物ほか)
ひと夏寝かせたひやおろし
酒の季語
- 【古酒】
- ふるざけ。夏を越した今で言うひやおろしのこと
- 【温め酒】
- ぬくめざけ。あたためざけ。単なるお燗ではなく9月9日重陽の節句の日に温めたお酒を飲むと病気にならないという
- 【菊酒】
- 9月9日重陽の節句に頂く菊の花びらを浮かべた酒
- 【月見酒】
- 十五夜、十三夜など秋の名月を愛でながら飲む酒
- 【新酒】
- 現代は冬に出回る新酒ですが、昔は新米がとれると、すぐどぶろくを作ったので秋の季語です。
- 【猿酒】
- さるざけ。果実を原料にした酒を表す古語。秋の果実を発酵させて作った酒
- 【紅葉酒】
- 紅葉を浮かべた酒
あつあつの湯気に鼻先濡らして鍋料理
葉野菜、根菜、ジビエもお楽しみ
季節の食材
白菜、ブロッコリー、カリフラワー、小松菜、ごぼう、水菜、くわい、キャベツ、大根、ねぎ、ほうれん草、芽キャベツ、蓮根、人参、ジビエ(鴨や猪、鹿など)
牡蠣、かわはぎ、ヒラメ、ぶり、まぐろ、あんこう、金目鯛、鯖、ししゃも、白魚、わかさぎ、蟹、イカ、ホッケ、ふぐ
季節料理の一例
- ブリ大根
- おでん
- 鍋料理
- ポトフ
- ほうれん草のおひたし
- シチュー
- 粕汁
- 鴨すき
- 湯豆腐
- ふろふき大根
- 豚汁
- お煮しめ
歳時記
- 12月22日頃 ※冬至(かぼちゃ、小豆がゆ)
- 12月31日大晦日 年越し蕎麦
- 1月1日~3日正月 おせち料理 雑煮 お屠蘇
- 1月7日 七草がゆ
- 2月3日 節分 恵方巻き
イベント
除夜の鐘つき、初詣、観梅
しぼりたての新酒にお燗酒
新酒・お燗酒
しみじみ頂く冬のアツアツ料理には今年のヌーボー「新酒しぼりたて生酒」とお燗酒のためのお酒「純米酒 白麹使用」がおすすめ。新酒は毎年11月出荷です。
酒の季語
- 【熱燗】
- お燗酒はもはや日本の冬景色
- 【玉子酒】
- 母親の思いやりあふれた玉子酒は風邪薬でした
- 【生姜酒】
- 喉が痛いときは生姜酒をいただきます
- 【鰭酒】
- ひれ酒のこと。渋い季語です
- 【寝酒】
- 寒くて長い夜。身も心も温める寝酒で安眠対策?
- 【寒造り】
- 酒を造る風景もまた、日本の冬の風物詩
- 【雪見酒】
- こんこんと降り積もる雪を見ながら一杯
- 【忘年会】
- 昔も今も年忘れの一杯は欠かせません
- 【年酒】
- としざけ。お屠蘇や年賀の客にすすめるお酒
- 【屠蘇】
- 数種類の生薬を調合した屠蘇散を酒や味醂に浸したもの。正月に延命長寿を願って飲む薬酒